【統合失調症】女性の統合失調症の特徴4つ【精神科医が7.5分で説明】幻聴｜妄想｜男女差

0:00 （１）はじめに
0:24 （２）統合失調症の症状と治療
2:24 （３）女性の統合失調症の特徴4つ
2:31 ①発症が遅い
2:55 ②暴力は少ない
4:08 ③一般的な予後はいい
5:03 ④時に治療が遅れる
6:35 （４）まとめ
統合失調症は悪化すると幻聴や妄想が目立つ精神疾患です。男女比は1対1とされ男女ともになりうる精神疾患ですが、症状の出方が、女性の場合一部異なります。
「女性の統合失調症の特徴4つ」について、精神科医が9分で説明しています。
出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長）
こころ診療所吉祥寺駅前　kokoro-kichijoji.com
府中こころ診療所　fuchu-kokoro.com
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（１）はじめに
統合失調症は男女ともになり得る精神疾患です。女性の場合、暴力などは少なく、基本的な予後は良いとされますが、時として治療が遅れてしまう場合もあります。本記事では、女性の統合失調症の特徴4つについて詳しく見ていきます。
（２）統合失調症の症状と治療
統合失調症は、悪化した時に幻聴や妄想などが目立つ脳の不調です。主にドーパミンの働きの過剰が背景とされています。治療には、脳の状態を整える抗精神病薬を用い、再発予防のために継続的に服用します。
主な症状は以下の3つに分類されます：
1. 陽性症状：幻聴や妄想など、脳が過敏になることによる症状
2. 陰性症状：意欲の低下など、脳の機能がダメージを受ける症状
3. 認知機能障害：思考力の低下など、認知機能が全般的にダメージを受ける症状
主な治療法は次の3つです：
1. 薬物療法：主に抗精神病薬を用いて症状の改善と再発予防を図る
2. 精神科のリハビリ：デイケアなどを通じて徐々に日中の活動を増やし、生活リズムを戻す
3. 福祉資源の活用：治療後も残った障害を補うために必要な福祉サービスを利用する
統合失調症の病期は4段階に分けられます：
1. 前駆期：不調の前触れの時期
2. 急性期：幻聴などの不調と混乱が強い時期（入院が必要な場合もある）
3. 休養期：精神状態は安定するが、陰性症状などが目立つ時期
4. 回復期：一定の改善が見られ、再発予防と社会復帰を図る時期
（３）女性の統合失調症の特徴4つ
①発症が遅い
男性では10代後半から20代前半の発症が多いのに対し、女性では20代後半から30代前半の発症が多いとされています。
②暴力は少ない
女性では興奮や暴力など外に目立つ症状が出にくい傾向があります。これにより、暴力事件など大きなトラブルに至るリスクは相対的に少なくなります。ただし、幻聴や妄想の強さとは必ずしも関連しません。
背景には以下の要因が考えられます：
- 言葉での表現が多い
- 暴力という形に慣れていない
- 周囲が抑え込みやすい
③一般的な予後はいい
治療後の予後は男性よりも女性の方が良好とされ、長期入院者も少ない傾向にあります。
予後が良好な要因として以下が挙げられます：
- 薬による症状改善の効果が高い
- 陰性症状など後遺症的なものが少ない
- 周囲の指示に従う傾向がある
- 治療中断が少ない
- 悪化のリスクや悪化時のリスクが少ない
④時に治療が遅れる
一般的には女性の方が治療開始も早く予後も良好ですが、病識がない場合には治療につながらず、治療が遅れることがあります。男性と比べて事例化しにくい一方で、抱え込んでしまうとこう着状態が続く可能性があります。
（４）まとめ
統合失調症は男女ともになり得る精神疾患ですが、その出方には一部男女差があります。女性の主な特徴は、発症が遅い、暴力が少ない、一般的に予後が良い、時に治療が遅れる、の4つです。家庭内で抱え込んでしまうと長期的な予後に大きく影響するため、不調時には早めの受診と治療開始が望まれます。
こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station）
府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695)
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【監修者】
医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎
精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医）
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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