【NO.72】銘「登録 肥後隆義」箱書 最高級 特製品 本打割込 少し昔の肥後守. Vintage higo Takayoshi. Warikomi-Shirogami .

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  • čas přidán 28. 08. 2024

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  • @japanknifemuseum5646
    @japanknifemuseum5646  Před 9 měsíci

    [ 説明 ]
    秋のある日、最後の紅葉を見るために国ざかいを二つ程も越えて、紅葉の名所を目指しました。カーナビを距離優先で設定したら、険しい山道に連れて行かれました。ナビを切って引き返して来たのですが、途中で山の中の小さな村に迷い込みました。静かな村には、人ひとり見当たりません。街道端で古めかしい雑貨店を見つけました。昔の肥後守が有るかも、と思いました。そこで、訪いを告げると奥から、モンペを着用して割烹着姿の昭和時代のお婆さんが、腰をかがめて出て来ました。「鉛筆を削るコガタナ」で通用しました。これが売れるのは、何十年ぶりと言う事で購入しました。後、二、三本残っているそうです。価格は千円もしませんでした。後日、再訪して、もう一本を予備に買おうと思って地図を見ましたが、いったい何処の山の中に迷い込んだのか分かりませんでした。村の名前も今となっては、確認のしようがありません。私はひょっとすると、遠野物語にあるような“迷い家”にでも行ってきたのか、と不思議な気持ちでした。あの村はどこにあったのでしょう。
    さて、箱から取り出してみると柄には金文字で○にF、高級 登録 肥後隆義と刻まれています。また刀身には「本打割込」と刻印されています。刀身の厚さは、これまでのものよりも一番厚く、真鍮の座金も同様です。「ちきり」の部分も角度も形も全く違い、カネ駒のOEM製品でない事が分かります。( → このチキリの部分で、ある程度の古さが分かります。) 刀身をよく見ると峰の部分まで削り出し、刃の形は両刃ですが右側だけ僅かに小刃付けがしてあります。
    「蔵の春」さんという方のプログに拠れば、このFは藤原刃物製作所の頭文字であり、兵庫県小野市にある会社で2015年頃まで、この小刀を製造していたらしいとの事です。
    従って「本打割込」とあるものの、白紙を挟んだ3枚鋼材の利器材を成形、削り出し、熱処理をしたものでしょう。流石に平成時代に、鍛治職人が一本一本地金を割り込んで白紙鋼を挟み、鍛接剤を振りかけて鍛えていたとすれば、もっと高額なものになるでしょう。2015年頃まで製作されていたとすれば、まだまだ片田舎の雑貨店などに、この「肥後隆義」は眠り続けているかも知れません。