【先生が教える働き方のルール】08_上限規制の特例と適用除外

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語り手: 先生、2024年4月から残業の上限規制について何か変わるそうですが、どういうことなのでしょうか?
助手: そうだね。 2024年4月から、これまで残業の上限規制の適用が猶予されていた一部の事業や業務にも、 規制が適用されることになったんだ。 ただし、完全に同じ規制ではなく、一部特例付きでの適用になる。
語り手: へえ、そうなんですか。 どんな事業や業務が対象なのでしょうか?
助手: 主に3つの分野が対象になるんだ。 建設事業、自動車運転業務、そして医師の業務だね。 これらの分野は、これまで規制の適用が猶予されていたんだ。
語り手: なるほど。 でも、なぜこれらの分野は今まで猶予されていたのですか?
助手: それぞれの業界の特殊性があるからだよ。 例えば、建設業では突発的な工事や季節的な繁忙期がある。 自動車運転業務では長距離輸送などで労働時間の管理が難しい。 医師の場合は、緊急時の対応など、予測不可能な事態に備える必要がある。 こういった理由で、一律の規制適用が難しかったんだ。
語り手: なるほど。 では、2024年4月からはどのように変わるのでしょうか?
助手: それぞれの業種によって少し違うんだ。 例えば建設業の場合、災害の復旧・復興事業を除いて、基本的に上限規制がすべて適用される。 自動車運転業務の場合は、年間の残業上限が960時間と定められた。 医師については、勤務先によって適用される上限時間が異なるんだ。
語り手: 具体的な数字が出てきましたね。 でも、なぜ960時間なんですか?
助手: 通常の労働者の場合、年間の残業上限は720時間なんだ。 自動車運転業務の960時間というのは、 その業務の特殊性を考慮して、通常より多く設定されているんだよ。 ただし、これでも以前より厳しい規制になっているんだ。
語り手: なるほど。 でも、まだ長い気がします...。
助手: その通りだね。 確かに960時間というのは、月平均80時間の残業に相当する。 これはまだまだ長いと言えるだろう。 ただ、これは上限であって、できるだけこれに近づかないようにするのが理想だ。
語り手: そうですよね。 でも、上限があるからといって、そこまで働かせてもいいわけではないんですよね?
助手: その通り。 法律で定められた上限はあくまで最大限の目安で、それ以下に抑えるよう努力することが大切だ。 従業員の健康やワークライフバランスを確保するために、企業は自主的な取り組みを行う必要があるんだ。
語り手: 具体的にはどんな取り組みがあるのでしょうか?
助手: 例えば、「帰るきっかけ」を作ることが大切だね。 終業時刻に消灯したり、残業を申告制にしたり、パソコンに帰宅を促すメッセージを表示したりする。 また、勤務管理ソフトを使って労働時間を管理し、規定の残業時間を超える前に警告を出すこともある。
語り手: なるほど。 でも、仕事が多すぎて帰れないこともありますよね?
助手: そうだね。 その場合は、仕事量の見直しや効率化が必要になる。 例えば、会議や打ち合わせの時間を短縮したり、 一部の人に仕事が集中しないよう業務を分散させたりすることが大切だ。 要は、「残業をしない・させない」という雰囲気作りが重要なんだ。
語り手: わかりました。 でも、全ての業種で同じように規制されるわけではないんですね?
助手: そうだね。 実は、完全に適用除外となる業務もあるんだ。 例えば、新技術・新商品または役務の研究開発業務がそれにあたる。 ただし、これはあくまで既存の商品やサービスの改良ではなく、本当の意味での新規開発に限られるんだ。
語り手: へえ、そうなんですか。 でも、適用除外だからといって、際限なく残業させていいわけではないですよね?
助手: その通り。 適用除外の業務でも、労働者の健康を守る措置は必要だ。 例えば、1週間あたり40時間を超えて労働した時間が1か月100時間を超えた場合、 医師による面接指導が義務付けられている。 必要に応じて就業場所や職務内容の変更、有給休暇の付与などの措置を講じなければならないんだ。
語り手: なるほど。 結局のところ、労働者の健康を守ることが一番大切なんですね。
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動画生成: NoLang (no-lang.com)
VOICEVOX:四国めたん
VOICEVOX:春日部つむぎ
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働き方のルール～労働基準法のあらまし～（2024年3月発行：東京労働局）
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