“団地グルメ”で活気…空き店舗に「醸造所」“ビール煮”求め…電車乗り継ぎ来る客も【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2024年5月25日)

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  • čas přidán 7. 09. 2024
  • 東京・江東区にある築約50年の「南砂団地」。入居者の半数ほどが65歳以上の高齢者です。ランチ時は、団地の外から大勢の客が。お目当ては「牛ばら肉ビール煮」。なんと、空き店舗にビール醸造所を造っていました。
    店主
    「団地内だから安く借りられた」
    立川市にある「若葉町団地」は53年前から入居開始。人気の店は12年前オープンした洋食レストラン「てくたく」。一日4、5回来る人もいます。人気は6種類のおかずが盛られた「おばんざい定食」。この料理を求めてやってくる客。いつしか、交流の場になっていました。
    ■“新感覚バーガー”求め…団地外から客
    江東区の東陽町駅から徒歩5分。完成からおよそ50年、8棟で構成される南砂団地。入居者のおよそ半数が、65歳以上の高齢者です。
    かつて団地には、精肉店や青果店など42店舗がありました。それから50年、大半の店が入れ替り、39店舗が営業していますが、10年ほど前は閉店してしまうケースが増え、商店会の存続が危ぶまれることがあったといいます。
    丸長青果店(50年営業)
    野々山肇子さん(65)
    「お店を持っているかたが高齢化して、やめざるを得ない。今よりも2割お店が閉まったことがあった」
    そんな場所で、ひときわおしゃれな外観のお店を発見。お昼時は、若い客で満席です。
    団地外から来店(30代)
    「(以前)すごく並んでいるのを見かけて、いつか来ようと」
    団地外から来店(20代)
    「SNS見て、調べたら近くだったので」
    実は、客のほとんどは、団地の住民ではありません。
    お目当ては、レモンチーズバーガー。100%ビーフにゴーダチーズ、シロップ漬けのレモンがのった新感覚のバーガーです。
    団地外から来店(20代)
    「見た目がインパクトあって。レモンがきいていて、おいしいです」
    おととしオープンした「ルイスハンバーガーレストラン」。なぜ、高齢化が進む古い団地に出店したのでしょうか?
    ルイスハンバーガーレストラン
    小塚研介オーナー
    「団地の敷地内なんですけど、人通りが多かったのと賃料が安かった」
    ■団地の空き店舗に「醸造所」
    週末、商店には多くの人の姿がありました。
    そのきっかけとなったのが、2017年にオープンした飲食店「ガハハビール」です。休日は、ランチタイムから満席状態。驚きなのは…。

    「(住まいは)隣町なんですけど、たまにお邪魔します」
    「私は横浜」
    「(Q.横浜からこのために?)そうですね」
    わざわざ電車を乗り継ぎやってくる客のお目当ては、「牛ばら肉ビール煮」。自家製のビールと赤みそをベースにしたソースで牛のバラ肉を煮込んだ、和風テイストの一品です。

    「トロトロ。すごくやわらかい」
    「濃厚で、めっちゃうまい」
    やわらかさの秘密は、肉を漬け込むビール。実は、それが団地に店をオープンさせた理由でもありました。店主の馬場さんに案内され、商店が並ぶ通りを歩いていくと…。
    ガハハビール店主
    馬場哲生さん(45)
    「ガハハビールのビール醸造所です」
    江東区内で初めて醸造の認可を得て、団地の空き店舗に醸造所を造りました。
    馬場さん
    「都内で醸造所となると、場所代がかかってしまうので。団地だから、安く借りられた」
    さらに、都は団地にテナントを誘致するため、礼金や更新料を不要としています。これも、出店の後押しになったそうです。
    客のほとんどが、団地の外からやって来るという店。それが、団地を活気づけるきっかけになっていました。
    50年前から店を営む青果店では、このような声が聞かれました。
    丸長青果店(50年営業)
    野々山肇子さん(65)
    「外からどんどんお客さんを呼び込めている。シャッター商店街にならずに、なんとか済んでいる」
    50年団地に暮らす人(79)
    「この頃、また子どもの声も(して)にぎやかになってきた」
    「(Q.活気づいてほしいですね)そりゃほしいわよ」
    住民の高齢化とともに、消えつつあった商店。“団地グルメ”が、外からも客を呼びよせ、団地全体を活気づかせていました。
    ■洋食店が…「おばんざい」を出す理由
    一方こちらは、53年前から入居が始まった「若葉町団地」。総戸数1400以上、37棟ある昭和の“マンモス団地”です。
    現在、団地内にある店舗のおよそ2割が空き店舗となっています。そんななか、異彩を放っていたのが、12年前にオープンした洋食レストラン「てくたく」です。
    団地に暮らす常連客
    「気に入ったお店が(近くに)あるのは、幸せですよね」
    団地に暮らす常連客(80)
    「きょうだけで2回目」
    地域に愛される“団地グルメ”は、6つの小鉢に盛られた「おばんざい」。味を守るため奮闘しているのは、24歳の若者でした。
    この団地に妻と暮らす、オーナーの佐藤義明さん(70)。以前は、フレンチのシェフを務めていました。店を出すきっかけは、イベントで団地に暮らす高齢者に料理をふるまったことでした。
    「てくたく」オーナー 
    佐藤義明さん
    「料理がおいしいので(団地の住民から)、ぜひお店を作ってくださいと言われた」
    悩んだ末、仕事を辞めて団地内の空き店舗に妻と店をオープンしました。
    客の6割が注文するという大人気のメニュー「おばんざい定食」。ランチは1050円です。だし巻き玉子やチャーシュー、白身魚のほか、毎日食べても飽きないよう、日替わりの3品があります。
    まずは、白だしで味付けした、だし巻き玉子からいただきます。ホッとする味で、しっとりと柔らかい口どけです。優しいだしとタマゴの味がしみわたっています。
    定番の自家製チャーシューも、人気の一品です。チャーシューにしっかりと甘辛い味がついています。香ばしい香りもあり、オニオンソースの酸味でさっぱり食べられます。
    それにしても、洋食店でなぜ、和の「おばんざい」なのでしょう?
    佐藤さん
    「最初は(洋食で)良かったが、半年ぐらいすると売上が落ちて。地域に合わせないと、お店は生き残れない」
    試行錯誤を繰り返した末、たどり着いたこだわりの味。それは地元の野菜を中心に使い、高齢者でも食べやすい優しい味付けの「おばんざい」だったのです。
    団地に暮らす常連客
    「蒸したキャベツなのかな。いい具合に味がしみていて、とてもおいしいですよ」
    団地外から来店
    「お客さん同士のふれあいもいっぱいあるし、また来たくなるようなお店だと思います」
    「おばんざい」を求めやってくる客の半数以上が団地の住民。いつしか店は、交流の場になっていました。
    ■採用なるか…?「おばんざい」の試作
    夫婦で始めた店ですが、おととし妻が病に倒れ、佐藤さん1人で店を切り盛りすることになりました。
    このままでは、店の存続が危ぶまれる…。そんな時、現れたのが須長辰友さん(24)です。以前は、すし店で修業していた経験もあります。退職後、知人から紹介され、このお店で働き始めました。
    「てくたく」店長 
    須長辰友さん
    「この店に来たら、一日に(客が)2回来るとか、一日4、5回来る人もいたので。愛されているんだな」
    団地住民の大切な場所を守るために、働き始めてから続けていることがります。
    佐藤さん
    「試作です。1回作ってみて良かったら、あすのおばんざいで出します」
    店の顔、おばんざいの一枠の試作。この日は、若筍煮に挑戦です。
    須長さん
    「緊張します。長年マスターがやってきた(料理)の1つになるので。マスターの顔を汚さないように」
    料理の決め手となるカツオなどのだし、その味は…。
    佐藤さん
    「いいんじゃない」
    肝心のタケノコのゆで具合は?
    佐藤さん
    「おいしいね。優しい味で、年配の方に好まれる味付け」
    佐藤さんのお墨付きを得て、安堵する須長さん。ところが…。
    佐藤さん
    「だめ、浅い。もっと深いものじゃないと、持っていくときに(だしが)こぼれる」
    器選びにダメ出しがでました。とはいえ、味に問題はないため、おばんざいの一品「若筍煮」の採用が決定しました。
    佐藤さん
    「これ、若手が作った新作です」
    団地に暮らす常連客
    「初物だよね?おいしい、免許皆伝だね」
    須長さん
    「ちょっとずつ自分の色を出しながら、佐藤さんの雰囲気を崩さずにいければなと」
    2人の思いが詰まった「おばんざい」は、団地に暮らす人々の絆をつむいでいました。
    [テレ朝news] news.tv-asahi....

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